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	<title>blog: 甘い手であそぶ人魚</title>
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	<description>・・・sentimentally orgasm</description>
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		<title>あられもないわたし</title>
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		<pubDate>Thu, 03 May 2012 13:35:31 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[砂のノート]]></category>

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		<description><![CDATA[ひとつ前の投稿は書いていてとてもつらくて、つらすぎて上手く書けず10日くらいかかりました。途中でうんざりしました。盗撮やらについて考えるのがほとほといやになりました。.jpgだか.TIFFだか知りませんが、今ごろどうして [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p>ひとつ前の投稿は書いていてとてもつらくて、つらすぎて上手く書けず10日くらいかかりました。途中でうんざりしました。盗撮やらについて考えるのがほとほといやになりました。.jpgだか.TIFFだか知りませんが、今ごろどうしているでしょう。わたしを写したデータたち。</p>
				<p>どうにも、なにひとつすっきりしなくて、わたしは疲れました。そして、ああ、もうせめて、これを書いて終わろう、と思いました。</p>
				<p>同意の上でもなく無理やりでもなく、暴力を怖れて拒否を断念することとも、どれとも違うどうにもならないなんともいえない話を書きたかった。</p>
				<p>書いたら少し落ち着きました。散らかした憎しみとモヤモヤを、とりあえず袋に入れることができました。いつでもまた破れる袋だとは思うけど。</p>
				<p>やれやれ、です。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/text/dwst/02.html">サプリメント</a></p>
				<p>以前にわりと気に入っていた話も再録しました</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/text/dwst/01.html">チューリップ</a></p>
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		<item>
		<title>あくまでもひとつの面としての、絶望のおはなし</title>
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		<pubDate>Thu, 03 May 2012 13:04:20 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[泳ぐひとへ]]></category>

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		<description><![CDATA[（あまりいい話ではないので、読んでいて嫌な感じがしたり思い出したりしたら無理せずすぐに閉じてください） 最近のtwitterでわたしは、 わたしの了承なくわたしの姿を撮影することは誰にも許せないし、記録されたものがこの世 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p><span style="font-size: x-small;">（あまりいい話ではないので、読んでいて嫌な感じがしたり思い出したりしたら無理せずすぐに閉じてください）</span></p>
				<p><span id="more-1084"></span></p>
				<p>最近のtwitterでわたしは、</p>
				<blockquote>
				<p>わたしの了承なくわたしの姿を撮影することは誰にも許せないし、記録されたものがこの世に存在することを拒否したい。絶対に。「そんなの現実的に無理、きっと既にされてる」って意見は聞きたくない、わかってる。嫌だ！って話をしてるんだ。</p></blockquote>
				<p>と書いた。書きながらちょっぴり苦しかった。きっともう既にされてるのだから今さら気にしても無駄な労力だぞ、なんて冷静な誰かに言われる（そういう類の、おそらくは善意の助言をもらうことは多い）までもなく、そういう写真や動画がこの世にいくつか存在していることを知っているから。</p>
				<p><br />うつ伏せの姿勢をとっている時にシャッター音が聞こえ、今の音はと訊ねても「は？何言ってるの？」としらばっくれられた時のこと。そこから「いいえ貴方は盗撮したはずです携帯電話を出してくださいそして見せてください」という主張をすることはできなかった。</p>
				<p>どうしてもどうしても撮らせてくれ、お願いだこの通りだ恥を忍んで頼む、と叫びながら額を擦りつけんばかりに土下座をされた時のこと。どこまでも聞こえそうな大声でそうされて、わかりましたわかったからもうやめて下さい！ と口にしてしまった。</p>
				<p>遊んだ女の子との写真コレクションしてるんだ、僕も写るんだからもちろんいいよね、と隣に立たれ携帯電話をクルリと向けられて、断る理由とそれを説明する言葉が少しも出てこなかったその何日も後で、あのときの戸惑いの正体は「なぜ」「やめて」だった、と気づいた時のこと。まだこの仕事を始めたばかりで、２人の写真を望むお客がいるということも、ましてその写真がどんなことに使われたりどのように流出する可能性があるのかということも、想像したことなんてなかった。</p>
				<p>「俺ってさ、口より先に手が出るタイプなんだよねー、ハッ」と鼻で笑われながらカメラを向けられた時のこと。<br />硬直している間にシャッターは切られたが、何だよその目は、と言われないための笑顔を作ることに忙しくてそれどころではなくなっていた。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>話せばきっとわかるはずだよ、と心の優しい人は言うだろう。<br />きちんと話せばわかってくれた人も、中にはいるだろうか、いるのかもしれない。<br />しかしその「きちんと話す」の内訳は、つまり立場の弱いものから強いものに対する、要求の却下だ。「なぜならわたしはあなたを信用しません」だ。</p>
				<p>交渉、というものは、席に着くものたちが対等な関係でない場合、急にものすごくむずかしい厳しいものになる（わたしたちを対等な存在とみて尊重してくれている場合については、そもそも禁止事項を堂々と要求してはこないものだ）。まるで「生意気な口答え」のように受け取る人々も中にはいるだろうと思う。彼らの中にはこれまで仕事の付き合いや様々な店舗で相手（特に女性の）からNOを言われたことがない、という人がいて、不幸なことにその理由を、自分が間違っていないからだと思い違いをしてしまっているケースも見える。</p>
				<p><br />（脱線：こういう場において、サービスを施すものと受けるものとの間に確かな信頼関係がないことや心をゆるしあってはいないこと、それは少しもわるいことではないしあたりまえだとわたしは思っている。<br />この状況、この関係性で信用を得るに足りる証拠をそろえるのは、誰もできないのが普通で当然のこと。ノーベル平和賞をとった人でも不可能なこと。売り手と買い手がお互いに向けるのは、玄関にかけるカギのような種類の、広く一般に向けた対等な警戒のひとつなんじゃないだろうか。あちらだって突然わたしたちに身体を傷つけられる可能性があるし、例えば決して財布を見せない人もいる。けれど、さして傷つくこともない。それでいいのだ。<br />100％まじりけ無しの信用をしあえていない相手にだって、安心してもらえるように努めつつ一定の献身や気遣いだとか、楽しさやよろこびの提案を試みることは可能だ。その対価をいただくのがサービスだと思う。だけど客となる人のみんながこの考えを受け入れてくれるとは、いえない。100％の信用と受容、時には愛なるものまでも求められる場合がとても多い）</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>それまでの仕事がどんなによい雰囲気でうまくいっていても関係ないし、こちらが初心者でもベテランでも関係ない。自分にじゅうぶん懐いている（と見なしている）相手にふられることや、自分よりも下位の（と見なしている）相手に拒絶されることは、おそらく不愉快なショックとなって彼らの自尊心を傷つけてしまうのではないだろうか、と想像する。</p>
				<p>そうするとここからが恐ろしいところで、態度を豹変させ、攻撃に転じる者がわんさとでてくるのだ。彼らの恐ろしさと、ついて回る「最悪の可能性」を特にセックスワーカーたちはよくよく知っているし、キャリアを積むほどに多くの例を見たことがある。それはセックスワーカーでなくたって、知っている人はたくさんたくさんいることだろう。おなじかたちをした恐ろしさがある場所にいたことのある人はたくさんいるだろう。インターネット上でだって、このような現象はしばしば見られる。<br />（とても極端な例だと、つい先日、twitterで自分をフォローしてくれなかったAV女優に対して態度を一変させ差別発言を繰り返した人物を目にした人は多いだろう、あれの画面を通さない版だ）</p>
				<p>もちろん中には冷静な人もいて、理解が得られたり、理解のポーズをとって穏便に引き下がってもらえることもある。わかったよ、と機材をしまってくれる人々もいる（その後の時間は針のむしろかもしれないが）。</p>
				<p>しかし「この人は話せばわかる」なんて、どうして事前にわかるというのだ。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>このように、<br />客側の人が、本来はやってはならない契約内容にないサービス（いうまでもなくそれは盗撮に限らない）を要求したという時点で、<br />結末はもうほぼ決まってしまっている。</p>
				<p>受けても大変だし受けないでも大変だ。バラエティ番組で芸人さんが身体を張るクイズのように、どっちの出口に体当たりして突き破ろうともそこは両方つながった泥の沼なのだ。問題が出た瞬間すでにそれは決まっていて、しかもわたしたちには笑ってくれるギャラリーもいない。だから大半は、せめて「最悪の可能性」の少ない方へ進みたい、と願うことになる。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>かくしてわたしの頭は「写真を撮られないこと」を切り捨て、より優先されるべき方のみへ向かう。「無事にこの部屋を出て安全な場所へ帰ること」 だけを目指すようになる。自分よりうんと強い相手と密室にいる裸のわたしの頭は。</p>
				<p>それは、拒否の断念だ。拒否の表明（を継続すること）の不本意な断念。感情のアンテナを伏せて感度をギリギリまで低く絞り、最もかなえたい目標だけに集中すること。身の安全と安心と引き換えに従順と愛嬌を披露し、ひとときなにかを、手放すこと。</p>
				<p><br />だけど一方でわたしは知っている。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>彼らはそれを「合意の上」と呼ぶ。<br />人々はそれを、信じる。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p><span style="font-size: x-small;">（幸いいくつかの事例については店に告げて対処されました）<br />（この文章は決して風俗店を利用する人全般についてではなく、その内の一部である「禁じられたサービスを要求してくる人」について書きました。マナーを守っている多くの人々について暴力的なイメージを持たれるのは本意ではないことを念のため付け加えます） </span></p>
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		<title>わるいひと、こわいひと、よわいひと、普通の人</title>
		<link>http://sentimentally.org/blog/archives/1076</link>
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		<pubDate>Fri, 13 Apr 2012 22:35:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[人魚のすみか]]></category>
		<category><![CDATA[泳ぐひとへ]]></category>

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		<description><![CDATA[この投稿はtwitterにpostしたものをそのままコピーしたものです。（プレイ中の盗撮について、被害にあった人が互いに経験を話したり情報交換をすることで対策の手がかりにしたいけれど、twitterなどでそれをすると悪意 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p><span style="font-size: 10px; line-height: 1.2em;">この投稿はtwitterにpostしたものをそのままコピーしたものです。<br /></span><span style="font-size: 10px; line-height: 1.2em;">（プレイ中の盗撮について、被害にあった人が互いに経験を話したり情報交換をすることで対策の手がかりにしたいけれど、twitterなどでそれをすると悪意のある人の目に触れた場合に新たな手口の参考となってしまうことが怖いね、という話題から）</span></p>
				<p>具体的な対策の話したいよねってさっきも書いたけど、こういうとこだと悪い人がそれ見ちゃうかもしれないのがいやだよね。やり方教えちゃうみたいなのがさ。昨日、ほんとうはもっともう少し、話したいことがあった。あったけど、書けなかった。どうしても、ヒントになってしまう、と思って。書けなかった。それは「盗撮を目論んでいる悪い人間がこれを読んでいるかも」という考えから、だけではないんだ。</p>
				<p>わたしが意識してしまうのは、「客になりすまして近づく悪い考えを持った者」「客の中にいるモラルの欠如した者」のことももちろんそうなんだけど、それだけじゃなくて、ごく普通の善良なお客さんとか風俗を利用しない人の中にもそっと潜んでいる「出来心」のことなの。誰にでもきっとそういうことはあって、その瞬間に「自分にも可能な具体的方法」を知っていたら、知らないよりずっとずっと簡単に落っこちてしまうと思う。それはそいつの心の弱さだ！みたいに思う人もいるかもしれない、でもわたしは自分にもそれが存在するってはっきり感じるし、心は弱いのが普通だ。</p>
				<p><span id="more-1076"></span></p>
				<p>接客をしていて「ああ、今のこの瞬間はとても素敵だな」って素直に思うことはよくあって、そういう時のわたしの身体は踝ひとつでも正直に綺麗だ。それが決して留めることのできない一度きりのものだから美しいってことや、そうさせているものが何なのかもわたしは場数を踏んでるから解っているけれど、お客さんにとってはただただ「この瞬間を気持ちを、なんとかして保存できないか」と思ってしまうこともあるだろう。写真を撮らせてはくれないかと、実は実際によく言われる。責められない。遠慮がちに申し出た彼らのほとんどは断ると納得してくれる。わたしがNOと言ったらそれはNOだと解っている。</p>
				<p>でも、静止画の中に閉じこめられたわたしに焦がれる気持ちに、どこか共感できるんだ。そんなことしても少しもいいものじゃないよ、後から見返してもこの気持ちにはなれないよ、頭の中に残る美しい女と、そこに写り残る平凡な女とは時が経つほどにかけ離れてゆくばかりよ。そのことを知らない、彼らに。</p>
				<p>それでね。もし、もしも、それを、わたしに決して気づかれることなく、傷つけることなく、そっと自分だけの秘密として実行できるとしたら？<br />その手段が、具体的な方法が、もうすでに頭の中にあるとしたら？</p>
				<p>うん。わたしを裏切ってしまう人が、少し増えるかもしれないんだな。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>それでもわたしはその行為自体を到底受け入れられはしない。わたしの了承なくわたしの姿を撮影することは誰にも許せないし、記録されたものがこの世に存在することを拒否したい。絶対に。「そんなの現実的に無理、きっと既にされてる」って意見は聞きたくない、わかってる。嫌だ！って話をしてるんだ。</p>
				<p>「わたしに決して気づかれることなく、傷つけることなく、そっと自分だけの秘密として実行できる具体的な方法」は、おそらくもうとっくにいくらでもあるよ。だから、少しでもその手がかりになるかもしれないと思うと、やっぱりわたしは口が重くなる。</p>
				<p>で、そのあたりのことをもやもや考えるところへ、その上へばーんと出てくるのが本題というか何というか「客になりすまして近づく悪い考えを持った者」「客の中にいるモラルの欠如した者」のこと。</p>
				<p>まさか対象が嫌がらないという考えの元「盗撮」をする人間がいるでしょうか。彼らはやってはいけないことだと知らないでやっているのでしょうか。 RT おそらくそれを撮られる人が凄くいやがっていて、犯罪であるって事を広く知ってもらう事が最大の予防になるんじゃないかな？</p>
				<p>「盗撮はやってはならないことです」「された人は嫌な気持ちになります」それを教育するのさえセックスワーカーの仕事にするのか。ちゃんちゃらおかしいよ。「盗撮はいけないことです」「それをネタに対象者をゆするなんてもってのほかです」なんてことを、わたしたち自身が声を上げてゆくことで事態が効果的によい方向に向かうとはあんまり思えない。そんなことは誰でも知ってる。知っててやるんでしょう。</p>
				<p>最近話してる「お手軽で低コストな盗撮・盗聴」（注：プレイ中のスマートフォンによる盗撮、その用途に非常に適したアプリの存在が周辺で話題になっていました）だって、されるかもしれない対象者っていうのはなにもセックスワーカーだけじゃ全然ないものね。わたしが初めて隠し撮られることを意識したのは義務教育中だし、男の人だって撮られないなんていえないよ。</p>
				<p>「悪意を持った人が見ている可能性もあるから」だけでは全部じゃないんだよね、ってことを言いたいと思ったんだった。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p><span style="font-size: x-small;">（タイトルは井上陽水奥田民生風によんでいただけるとこれ幸い）</span></p>
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	</item>
		<item>
		<title>梅ちゃんが怒った夜のこと</title>
		<link>http://sentimentally.org/blog/archives/1067</link>
		<comments>http://sentimentally.org/blog/archives/1067#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 13 Apr 2012 03:44:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[人魚のすみか]]></category>
		<category><![CDATA[泳ぐひとへ]]></category>

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		<description><![CDATA[この投稿はtwitterにpostしたものをそのままコピーしたものです。togetter わたしが以前に盗撮された時のことを書きます。整理しながらなのでちょっとずつになるけど。 盗撮された経験は何度かあるんですが（なんと [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p><span style="font-size: 11px;">この投稿はtwitterにpostしたものをそのままコピーしたものです。<br /><a href="http://togetter.com/li/286002">togetter</a></span></p>
				<p>わたしが以前に盗撮された時のことを書きます。整理しながらなのでちょっとずつになるけど。</p>
				<p>盗撮された経験は何度かあるんですが（なんということだよ！）、いちばん思い出深い（というのはおかしいですが）回のことを。初めて客に面と向かって「あなた盗撮してますよね？」と問い詰めた時のこと。コンデジでした。家具の隙間のようなところにうまく置かれてて、でも途中で気づいた。<br />（コンデジ＝コンパクトデジタルカメラ。デジカメだけどあのレンズの大きな立派なやつじゃなく片手で持って撮れるような、あれです）（昔あゆがCMしてたようなのね）</p>
				<p>やっぱり一瞬迷ったよ。客に指摘するか、それとも見なかったことにするか。でも、あまりにもそれまで過ぎた時間は長くて、わたしはもういろんなサービスをしてて、顔だってしっかり映った確信があった。言ってどんな反応が返ってくるかを考えると怖かったけど、あのう、これ何ですか？と言った。 <br />客はしらばっくれた。何でもないよ置いてるだけだよ、と。わたしはひるんだ。でも引き下がっちゃいけないと思った。さっき出した勇気を無駄にドブに捨てられない。置いてるだけなわけないじゃないですか。客は開き直った。俺を疑ってるの？これはダメだ。わたしは全裸で立ち上がり携帯に手を伸ばした。</p>
				<p>電話に出たスタッフの「はい、シーナさん。ご延長でしょうか？」に、違います、と言う。「はいかいいえでお答えください。助けが必要ですか？」「……はい」「了解すぐ行きます」これはキャストに「お客さんが○○しようとした」などと状況を説明させて客を刺激・逆上させないための配慮だと思う。</p>
				<p>新規の客だったので、車がすぐそこにつけていた。それでもドライバーさんが部屋に来てくれるまでの数分間が、この上なく長く長く長く感じた。客は舌打ちをし、テーブルを爪で叩き、そしてわたしの顔を見て「金で買われた女なんだから黙って股開いてりゃそれでいいんだよこのガキ！」と唾を飛ばした。</p>
				<p><span id="more-1067"></span>その場にいない今となっては、客は怖かったんだろうと思う。これからどうなるのか。だから目の前で小さくなっている女にそんな暴言を吐けた。わたしは膝の震えを止めることに精一杯で、でももしかしたら殴られるかもしれないし客の手と足の先だけ視界の端で見ていた。顔なんかとても見られなかった。</p>
				<p>やがて待ち侘びた足音が近づいてきた。やってきたドライバーは梅ちゃんだった。梅ちゃんはとても若くてお調子者で、そしてものすごくものすごくコワモテだった。背は高く筋肉はムキムキでタトゥーまであった。「お話を伺います」と言う梅ちゃんを見上げる裸の客の目は、さっきまでと全然違っていた。<br />梅ちゃんの顔を見てわたしは、そうだ服を着ようとやっと思い至った。それまでは下着をつけるくらいが精一杯だった、動くこと自体が腕一本でもとても怖かったのだ。ロビーで待つようにと言われ、荷物を持って退室した。エレベーターの鏡に映った自分の顔が自分じゃないみたいだった。平坦で青白かった。</p>
				<p>そこはあまり高級ではないラブホテルで、ロビーといっても簡単なソファが観葉植物で仕切られているだけだった。フロントの人に何か言った方がいいのかなと思ったけど、その年配の女性はわざとかどうか、忙しくしていてこちらを少しも見ることはなかった。<br />梅ちゃんをすんなり入れてくれてありがとうございます。と思いながらソファに座ったら、その人が少しだけこっちを見てるのが気配で分かった。そして「大丈夫そうだな」と思ってまた仕事に戻ったことも、なんとなくわかった。そのうちに今度は内勤の人がひとり来て、盛大に気遣われたあと話を聞かれた。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>結局わたしたちはその客を警察に突き出さなかった。店はわたしに選ばせてくれたからそうすることもできたのだけど、妻と子供がいると言って泣いて土下座するそいつが哀れになってしまい「いいえ構いません通報します」と言えなかった。何が哀れなのかはよくわからない。店は独自の示談を進めてくれた。<br />持っていた現金全てと運転免許証のコピー、デジカメ本体とメモリカード、そして下着姿の全身写真、顔写真。二度と店にもわたしにも接触しない誓約書へのサイン。それらと引き換えに彼は解放された。「ありがとうございます」とそいつは言った。なんのことだかさっぱり解らなかった。</p>
				<p>最後に車に乗り込む時、客はわたしに頭を下げてきた。「すいませんでした大丈夫ですよね」と。だいじょうぶって何がですか？と思った。きっとこの人は今も「妻と子供」と自分は、目の前の女とその組織の男たちよりも高尚でまっとうな守られるべき人間だと思ってるのかもしれない、と思った。</p>
				<p>そしたら梅ちゃんが客の胸ぐらをすごい力で掴んで「すいませんたぁ何だテメエそれが謝罪の言葉かよああん」と詰め寄った。「この子はあんたをもてなしに来たんだ、それを裏切ったのはあんただ、ぶち壊したのはあんただ、わかってんのかよテメェはよう」客はヒィと短い悲鳴を上げた。わたしは驚いた。</p>
				<p>梅ちゃんはもう１人に慌てて止められて、でもずっと客を睨みつけていて、わたしは、もういいよ、と思った。ありがとうでももういいよ、この人はきっと解らない。怒りを露にする梅ちゃんは本当に強そうで怖かった。野蛮で怖くて、心から嬉しくて頼もしかった。だけど、この人はきっとなにも解らない。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>細かく思い出すといらいらしたり怒りが再生されちゃうことばかりだけど、それでもその日の帰りに梅ちゃんに送ってもらったことは、そこだけはいい思い出。そこだけは。「裸見られちゃったねえ」と言ったら「あー！何も覚えてねぇ！しまったぁ〜」ってさ。</p>
				<p>梅ちゃんはその後しばらくして知らないうちにいなくなってた。どこかで見かけたらコワモテですけどすごく優しい人なのでよくしてあげてください。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>さっきの話、わたしの視点で読んだ人には嫌な客いるなって分かってもらえても、あの人にしてみれば「折角高い金出すんだし後で１人で見返せるようなものが欲しかっただけなのに、運悪く生意気な女に当たってしまい店員を呼ばれ、しかもそいつがいかにも柄の悪い男で、危うく全てを失うところだった話」として記憶されてるかもしれないんだよね。というか、そうなんだろうとわたしは思ってる。そしてこの場合良識ある世間はどちらかというと自分の味方であろうと思ってさえいるかもしれないな。わたしも梅ちゃんも、きっと彼の目には自分とはカテゴリの全く違う人間だった。例えば社会の落後者とか。</p>
				<p>そんな人間に関わったせいでとんだ目に遭わされた不運な話として、男同士の内輪話で「まぁ、勉強代だな」「やっぱりろくなもんじゃないよ」みたいな雰囲気で話されたことももしかしたらあるかもしれない。裸の写真を撮られたことは伏せたかもしれないね。</p>
				<p>あれ殴っちゃったりしてたら訴えられたりなんかしちゃったりとかしてたかもしれないもんねえ。でも梅ちゃんホントは殴りたかったと思うよ。でもそうしなくてよかった。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>ぜんぶリプライできないけど、わたしが感じた恐怖を想像してくれて本当にありがとう。それはわたしがいつもとても望んでいることのひとつです。あと梅ちゃんの幸せを祈ってくれてありがとう。</p>
				<p>梅ちゃんよ永遠なれ！わたしはあなたにとても大きくて強いものをもらって、それは今もまだここにあるよ。ありがとう。</p>
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		<title>よりそいホットライン</title>
		<link>http://sentimentally.org/blog/archives/1059</link>
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		<pubDate>Mon, 19 Mar 2012 21:22:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[浜辺の伝言]]></category>

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		<description><![CDATA[「よりそいホットライン」開設のお知らせ ０１２０－２７９－３３８（フリーダイヤル・つなぐ・ささえる） ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊被災地の方々のためのホットラインとして始まった「よりそいホットライン」が、3月 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p><a href="http://279338.jp/yorisoi/"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/03/banner_W350H240_B1.gif" title="よりそいホットライン" width="350" height="240" class="alignnone size-full wp-image-1060" /></a></p>
				<p>「よりそいホットライン」開設のお知らせ<br /><br /> ０１２０－２７９－３３８（フリーダイヤル・つなぐ・ささえる）</p>
				<p>＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊<br />被災地の方々のためのホットラインとして始まった「よりそいホットライン」が、3月11日から31日まで全国24時間で電話を受け付けているそうです。無料です。<br />「性暴力・DV」を扱う女性の専門回線が設けられています。 （ガイダンスが流れたら３を押すとつながります）他にセクシュアルマイノリティ回線などもあります。</p>
				<p>【よりそいホットラインのウェブサイト】 <br /><a href="http://279338.jp/yorisoi/">http://279338.jp/yorisoi/</a> <br /><br />主催：一般社団法人社会的包摂サポートセンター （<a href="http://279338.jp/">URL</a>）<br />委託協力：共生社会をつくるセクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク</p>
				<p>＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊</p>
				<p>24時間、どんな人の、どんな悩みにも、という言葉に安心感と尊敬をおぼえます。<br />もうひとつ、3月22日木曜日の25:00から25:55まで、4夜連続で、TOKYO FM 80.0MHzにて「よりそいホットライン開設スペシャル　聴かせてあなたの声」が放送されています。<br /><br />ustreamは<a href="http://www.ustream.tv/channel/yorisoi-hotline-0120-279-338">こちら</a><br />過去の放送も聴くことができます。</p>
				<p>セックスワーカーは特に、ひとに話しにくい悩みや困りごとを抱えていることが多いように感じています。身近ではない相手だから、話すことで気付きを得られることもあるかもしれない。ひとりでは解決できない場所にいるひとの役に立つことを思って、ここに情報を載せました。<br />電話をかけてみようかな、といま思った方が勇気を出せるように、その悩みがよい方向へ向かうように、わたしも願っています。</p>
]]></content:encoded>
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		<title>HPVワクチンの話（３）接種しました</title>
		<link>http://sentimentally.org/blog/archives/958</link>
		<comments>http://sentimentally.org/blog/archives/958#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 12 Feb 2012 09:09:25 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[泳ぐひとへ]]></category>

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		<description><![CDATA[↑むだにはしゃいでみた →（２）のつづき ようやくここまで来ました。実践編です。 予約時間の少し前にクリニックに到着。問診表と体温計、そして「HPVワクチン（ガーダシル®）を接種される方へ」という文書を渡されます。よく読 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210aa.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210aa-202x300.jpg" title="ぜんぶで1時間弱" width="202" height="300" class="size-medium wp-image-968 alignnone" /><br /></a>↑むだにはしゃいでみた</p>
				<p>→<a title="HPVワクチンの話（２）" href="http://sentimentally.org/blog/archives/955">（２）</a>のつづき</p>
				<p>ようやくここまで来ました。実践編です。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210b.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210b-150x150.jpg" title="どこにもピント合ってない" width="150" height="150" class="alignleft" /></a>予約時間の少し前にクリニックに到着。問診表と体温計、そして「HPVワクチン（ガーダシル®）を接種される方へ」という文書を渡されます。よく読みましょう（でもたぶん自分で打とうと思っていろいろ調べてきた人にとっては知っていることばかりだと思うので、復習みたいな感じです）。<br />同じものがアップロードされているのを滋賀県庁のサイト内で見つけました。<br />（<a href="http://www.pref.shiga.jp/e/kenko-t/yobousesyu/MSD-sikyuu.pdf">ガーダシル®を接種される方へ / pdf:152KB</a>）</p>
				<p>体温を測って、問診表に記入。受付の方に渡します。<br />問診表内に記入する必要のある個人情報は、</p>
				<ul>
					<li>住所と電話番号</li>
					<li>氏名（受ける人が未成年の場合、保護者の氏名も）</li>
					<li>生年月日と年齢</li>
					<li>最近病気しましたか？お薬のアレルギーがありますか？など各種予防接種でおなじみの質問</li>
				</ul>
				<p>です。「性体験がありますか？　（いいえ／はい）」みたいなマルをつけねばならなさそうなイメージがあるかもしれませんがそんなことは聞かれません。婦人科だとたまに初経年齢とかきかれるけど、それもないです。          <span id="more-958"></span></p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210bb2.jpg" rel="lightbox[958]"></a><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210ba.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210ba-150x150.jpg" title="平熱上げてダイエットとかうそじゃない？" width="150" height="150" class="alignleft" /></a>次に診察室に呼ばれて、医師と問診をします。<br />わたしは体温がちょっと高かったので（基本的に37.5℃を超えている人は受けられないガイドラインのよう。確かインフルエンザもそうだよね）、「風邪っぽい予兆みたいなものは特に感じていませんか？」と確認がありました。平熱が37℃前後であること、今日も特に不調がないことを伝えてオッケー。<br />それから、シーズンなのでインフルエンザの予防接種を受けていたため、日数が充分にあいているかの確認。インフルエンザは１週間の間隔が必要だそうで、これは事前に調べてそうと知りあわててインフルエンザを打ったのでした。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210c.jpg" rel="lightbox[958]"></a><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210c.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210c-150x150.jpg" title="「ちょっとチクッとしまーす」" width="150" height="150" class="alignleft size-thumbnail wp-image-980" /></a>また、性体験後の女性が接種する意義についての考え方と、定期的な検診の大切さをもう一度おさらいし、 接種のスケジュールや費用についても丁寧に説明していただきました。<br />そして看護師さんから接種してもらいます。<br />「今まさに刺しまーす！って体でいいかしら？あ、箱も入れるといいかな？ちょっとここで持ってて☆」とおちゃめな看護師さん。接種するときはこうして肩に近いところのお肉をぐぐっとつまんでもらいます。 <br />さきほどもらった文書に「接種後に、注射による恐怖、痛みなどが原因で、気を失うことがあります」という超こわい記述があるのだけど（これビビるよね！おそろしいよね）だいじょうぶです。そんなに痛くはない。ただの注射です。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210d.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210d-150x150.jpg" title="はいおしまい" width="150" height="150" class="alignleft size-thumbnail wp-image-963" /></a></p>
				<p>でも確かに、HPVってインフルエンザや風疹やなんかに比べたら圧倒的に得体がしれないし、まだ若い、というよりも幼いひとたちにしてみればすさまじい緊張や恐怖があるかもしれない。いったい何をされてしまうんだろう、って。どうせ理解できないだろうと説明をないがしろにするのはよくないけど、でも何をどこまでどんなふうに説明すればよいのか難しそう。なぜセックスがからむだけで物事は難しくなってしまうんだろう。いやセックス難しいしな。というかセックスを取り巻くさまざまなものたちが難しいんだわ。</p>
				<p>そういうことを悶々と考えてるうちに終わってました。上の写真はわたしのカルテと、終わった後のグッズ一式。万が一アレルギー反応などが起こった場合のため、接種後30分は院内で安静に待ちます。ソファでゆったりとiPodの音楽を聴きながら、いただいた冊子を眺めて過ごしました。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210e.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210e-150x150.jpg" title="この方のイラスト女性誌でもよく見るよね" width="150" height="150" class="alignleft size-thumbnail wp-image-964" /></a>「ガーダシルを接種された方へ」接種後の注意点や副反応の説明がかかれています。日本でガーダシルを製造販売しているMSD株式会社がつくっているもの。可愛らしくカジュアルな雰囲気です。<br />30分経ったら、体調に変化のないことを確認して、今日はおしまい。翌日まで過激な運動はできません（元々ぐうたらなのでしません）。お風呂は、接種部位をゴシゴシしなければ大丈夫。赤みや痛みの出る人は多いみたいで、看護師さんのおひとりからも「わたしの娘が接種したときは、筋肉痛にそっくりになったって言ってたわよ」とアドバイスがありました。わたしの場合もその日の夜からぷっくりとした赤い腫れと引きつれるような感覚が出て「これのことね……！」とほくそ笑んだものです。たしかに筋肉痛に似てた。それから、熱っぽくもなりました。あとかゆい！すごく痛がゆかった！</p>
				<p>発熱やかゆみは、1〜10％未満の頻度で起こるそうです。わたしの身体がワクチンを「なんか敵が来たぞーやっつけねばー！」と認識しているんだね。2〜3日でなくなりました。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210g.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210g-150x150.jpg" title="お会計の時ちょっと背筋のびる" width="150" height="150" class="alignleft size-thumbnail wp-image-966" /></a>領収証。ぜんぶで3回接種しますがこれはまとめて支払った金額です。費用は各医療機関によって変わると思います。後日わたしの母親に「あれってさーいくらしたの？」ときかれて答えたところ「そうか……いい時代になったけど……金はかかるんだわね……」と言っていました。うむ。高いか安いかということはひとくくりに言えないけれど、がんになった場合や、ワクチンを接種せずこまめに検診を受けた場合など、いろいろな可能性を考える必要がありそうです。</p>
				<p>余談ですがわたしの母親は、わたしが婦人科で見聞きしたことの話をよく聞いてくれます。若いころ婦人科系統の病気を患いとても苦労をしたので、現代の医療のようすを聞き「ああ、今の人はもうあのような思いはしないで済むのだ」と知ることがうれしいようです。「いい時代になった」とよく言っています。彼女が初めて婦人科へ行ったのは40年ほど前のこと、膀胱炎になったときだったそうですが、「婦人科」というものにかかったことが家族に知れてたいへんな事件になったそうです。恥を知れと激しく叱責され（嫁入り前の娘が行ってよい場所ではないということらしい）、今でも思い出すと悲しく辛くなるといいます。それがたった40年ほど前のことだとは……。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210h.jpg" rel="lightbox[958]"></a><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210h.jpg" rel="lightbox[958]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/0210h-150x150.jpg" title="裏見返しのページ" width="150" height="150" class="alignleft size-thumbnail wp-image-967" /></a></p>
				<p>写真を撮ってブログに載せてもよいか訊ねたときに、「どんな選択をするにせよ、最初の一歩は知ることから始まる。ひとりでも多くの人が納得いく結論にたどり着くために、まず存在が正しく知られなければなにも始まらない。どうぞあなたの言葉でお友だちに語ってあげてください」と、先生から言葉をいただきました。そしてそばにいた看護師さんから「本当は、あなたのように定期的にがん検診に来るタイプじゃない方の人にこそ、知ってもらわなくてはいけないのだけどね……」と。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>そんなところかな……はい。わたしの話はこれでおしまい。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>わたしはこれらの文章を、みんなもするべきだ！とかあなたもした方がいいわよ！という気持ちで書いたわけじゃない。もし自分と同じ年齢・状況の友だちがいたとしてもただやみくもにに勧めることなどできないし、もしも重篤な副反応が出たとして責任を取ることも当たり前だけどできやしない。わたしがこの先子宮頚がんにかかることもあるかもしれないし、その時「高い注射までしたのに！」とは言えないことをわかって、今回こういう選択をした。<br />その判断に賛成できないと思う人もいるだろうと思うし、やらないことにしている人に何か口を出したいわけではまったくない。<br />ただ、同じ「やらない」にしても「何だかよくわからないしやらない」と「考えてみて、やらないことにした」では全然違うものだ。</p>
				<p>これは個人的な感覚だけど、とくに女の人が人生や性について、時に自分ではない誰かのために遠慮をしたり、決定権を完全に持てていないようなことが、目立っていないところに実はあるなぁと感じることがある。わたし自身はどちらかというと声が大きい方かもしれない（こんなブログを書いているくらいだし）。それでも、「なにか」に対して遠慮している瞬間は、やっぱりある。</p>
				<p>HPVワクチンがインフルエンザや他の病気のそれと同じように受け入れられてはいない側面には、やっぱり「セックス」でうつる、ということが大きく関わっていると思う。わたしたちの脳みそはどうやらその言葉に弱く、しばしば考え尽くすことができなかったり情報を仕入れることに積極的になれなかったりするみたいだ。ほとんどの人の人生に何らかの形で登場するものなのに、一定の距離を取っていなければならないような雰囲気を、時には大人の男性からも感じることが確かにある。<br />（がんを予防できるワクチンとは、いったいそれはどんなものなんだろう）<br />そんなあたりまえの関心さえ、なにかあまりほめられたものでないとされるような、慎まなければならないかのような意識が女の人のこころにありそうなことがわたしは心配だった。だから「やった場合はこんな感じだったよ」ときかれてもいないのにしゃべってみよう、と思うに至った。</p>
				<p>この冊子の最後のページには「大切なお友達にも伝えてあげてください」という言葉とともに結婚と出産をイメージするイラストが描いてあるけれど、なにもその２つをやるかどうかだけが女の人生の分かれ道じゃない。２つともやった人だって、テンプレートにのっとって自動的にそこへ運ばれたわけじゃなくそこには必ず「選択」があった。選択の連続で人生は続く。その決定権を、よくわからない力に委ねることなくその女の人自身がしっかりと持っていられますように。迷い悩んだときには、助けになる存在がそばにありますように。いつでも、自分の人生に関わることについて「知る」こと「選ぶ」ことを遠慮せずにいられますように。</p>
				<p>そういう思いで、乱文ながら今回のことをインターネットに書きました。<br />わたしの経験したことが、あなたの選択のきっかけや資料のひとつになればとてもうれしいです。</p>
				<p>快く撮影を許可して協力してくださったクリニックの方々に心から感謝しています。<br />ありがとうございました。</p>
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		<title>HPVワクチンの話（２）</title>
		<link>http://sentimentally.org/blog/archives/955</link>
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		<pubDate>Sat, 11 Feb 2012 21:35:39 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[泳ぐひとへ]]></category>

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		<description><![CDATA[→（１）のつづき わたしがHPVワクチンの接種は自分に関係ないとみなしていたのは、ひとえに「まだセックスをしていない10代前半の人のためのもの」というイメージのためだった。セックスしてないどころか性的サービス業に従事して [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p>→<a title="HPVワクチンの話（１）" href="http://sentimentally.org/blog/archives/952">（１）</a>のつづき</p>
				<p>わたしがHPVワクチンの接種は自分に関係ないとみなしていたのは、ひとえに「まだセックスをしていない10代前半の人のためのもの」というイメージのためだった。セックスしてないどころか性的サービス業に従事している自分には関係ない、どうせ感染しているのだから無意味だと考えていた。</p>
				<p>本当にまるっきり無意味なんだろうか。その思いが芽生えてしばらくいろいろ探したのち、この論文に行き当たった。<br /><a href="http://www.shindan.co.jp/books/index.php?menu=01&amp;cd=3100900&amp;kbn=2#toku">「産科と婦人科」2010年9月号</a></p>
				<p>抜粋したものをここで見ることができる。<br /><a href="http://www.shindan.co.jp/books/index.php?menu=01&amp;cd=3100900&amp;kbn=2#toku" target="_blank">産科医療のこれから</a></p>
				<p>ワクチンに対する考え方は本当にその人ひとりひとりで異なるものだし、特にHPVについては「これが正解、これが世界標準」というようなものがまだあるわけじゃない。しかし「処女なら打ちなさい、そうでないならあきらめなさい（極端な言い方をすると）」なんて単純なイメージは全くの誤りだと知った。</p>
				<p><span id="more-955"></span> 2011年になり、わたしは内科の主治医に思いきって質問してみた。<br />「わたしがサーバリックスを打つって、あまり現実的じゃないことですか」<br />笑われちゃうかな、とちょっと身構えていた。椎名さんもう20代だし後半だし。それ以前に椎名さん、デリヘル嬢だし。意味ないですよ。って言われるかもしれない。ですよねー、と笑って終わる準備をしつつ、質問してみた。 <br />でも先生は笑わなかった。「確かに、性体験前の人と同じだけの効果は期待できないかもしれません。でも、全く無意味でやらないほうがマシ、ともいえない」と、やさしく説明してくれた。最終的には費用対効果をどう考えるか、椎名さんが自由に選んできめてよいと思います、ということだった。<br />そして最後に「でね、もし接種するという選択をするなら、提案があります。今年の秋くらいか、遅くても年末にはガーダシルという４価のワクチンが使えるようになる。せっかく今まで待ったのだから、こちらを打つというのもひとつの策です」と教えてくれた。<br />「そういえばわたし、そこそこ働いてる割にコンジローマをまだ一度もやってないんです」と言うと、「それはいいことだ。感染していない、ということはさすがにないだろうに、普段の生活や椎名さんの予防意識で、上手いこと抑えられているのかもしれないですね。ワクチンを打ったら、万が一コンジローマが出てしまった時に規模が小さくて済むようなことも、もしかしたらあるかも」と言ってくれた。</p>
				<p>（４価のワクチンはHPV 6, 11型という「尖圭コンジローマ」の原因となるHPVの感染も予防する。先圭コンジローマはSTIの一種でイボができるもの。それなりにポピュラーでとても再発しやすい。頻繁にレーザーで焼きに行っている同僚の女の子もいた）</p>
				<p>帰り道、同じ病院で以前Ａ型肝炎とＢ型肝炎の予防接種をしてもらったときのことを思い出した。あのときも、先生はわたしのヘナヘナの知識をひとつひとつ補って安心させてくれて、そして「肝炎はねー痛いんだよー♪」とニコニコしながら打ってくれたんだった（インフルエンザよりはちょっとだけ痛かったかもだけど、基本的に可愛い先生なのでこれから打つ方はおびえないでください）。<br />肝炎の予防接種はわたしにとって、かかって苦しむことの心配が和らいだ以上に意味があったことだった。気がついたのはしばらくしてから……接客のクオリティがちょっとだけ上がったように、自分で勝手にだけど感じたのだ。たぶんあれこれ心配したりびくびくする気持ちが減ったから、集中力が増したのかもしれない。</p>
				<p>わたしは、そして多くのセックスワーカーがそうだと思うんだけど、基本的に客になった人にはできれば満足して帰ってもらいたいと思っている。しかし安全を差し置いてそれを優先することはできない、何をおいても互いの身の安全は最重要事項だ。客の側の人はそこに関する意識や知識が備わっていない場合も多い。このことが頭をよぎると、なんとなくサービスがおとなしくぎこちなくなってしまう日もやはりある。</p>
				<p>わたしの場合はおしり付近への愛撫を行うときに、ふと感染症のことを思い出して集中が途切れることがあった。それが予防接種をしてからなんとなく「どんとこーい」という気持ちでそこに向かえるように、ほんのちょっとだけなったんだ。</p>
				<p>（もちろんこわいのはＡ型肝炎だけではないし、風俗店を利用する人はもっと「アナル舐め」というよくあるサービスの危険さを認識するべきだとも思っています。勤務する店の基本サービスに含まれる以上はやらないと契約に反する感じになるので頼まれればわたしはいちおうやりますが、人には全然すすめないですし頼まれずにやるのはよっぽど夢中になったときだけです）</p>
				<p>そしてわたしの気持ちは固まった。プラセボでもよい。ガーダシルを打ってみましょう。<br />もしも副反応でひどい目にあったら？ うーん……そうなったら、そのとき考えるしかない。死んだとしたらそれまでだ。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p>2011年の秋に、いつも子宮頚がんの検査をしてもらっている婦人科でガーダシルの接種を開始した。</p>
				<p><a title="HPVワクチンの話（３）" href="http://sentimentally.org/blog/archives/958">（３）</a>につづく→</p>
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		<title>HPVワクチンの話（１）</title>
		<link>http://sentimentally.org/blog/archives/952</link>
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		<pubDate>Sat, 11 Feb 2012 18:35:58 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[泳ぐひとへ]]></category>

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		<description><![CDATA[わたしが子宮頚がんというものを強く意識し始めたのは、2010年のことだった。 前の年の終わりに日本でサーバリックスの接種ができるようになったニュースに対しては、ようやくだ、よかった、という感想を持ったものの、自分には（こ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				<p>わたしが子宮頚がんというものを強く意識し始めたのは、2010年のことだった。</p>
				<p>前の年の終わりに日本でサーバリックスの接種ができるようになったニュースに対しては、ようやくだ、よかった、という感想を持ったものの、自分には（この先子どもを養育しない限り）直接関係のないこととして受け止めていた。「10年遅いよ」と思った。<br />わたしはもう、大人になってしまったから。10年前ならば間に合ったのに。</p>
				<p>ところが、このことについてもっと考える機会がもたらされることになる。2010年の夏、子宮頸がんがもう一歩わたしのそばへ近づいてくる出来事があった。<br />それこそ10年ほど前から好きで見ていたウェブサイトを運営している女性の日記ブログに、その病名は出てきた。少し前から、病院でのごはんやベッドの写真、入院するよという記述などがあった。「今日はお泊まり！」だとか「思ってたよりボリュームあって太っちゃいそう」なんて元気に書いてくれてはいたけれど、どうしたのかな、と心配はしていた。そして、やがて記された「子宮頚がん」という文字に、わたしは息を飲んだ。    <span id="more-952"></span></p>
				<p>同じ病気でいま、穴が空くほどパソコンを見つめている方のために少しでも役に立てれば……と、彼女は病名を公表した理由を語っていた。<br />わたしよりも少しだけ上の世代。がん患者という言葉のイメージからはほど遠いまるでまだ幼い少女のようなあどけない表情も持つ、とても可憐な方だ。日々綴られる文章もとても好きだ。ただただ、驚いた。<br />（他のがんに比べ20〜30歳代に多い、ということもわたしはそれまで実感していなかったのだ）</p>
				<p>お会いしたことも直接言葉を交わしたこともないけれど、ネットに触れるようになったころからずっと知っていた「憧れのお姉さん」の身に起こったこととして、子宮頚がんはわたしの意識に「あんたがボンヤリ思ってるよりずっと近い場所にあるのだよ」ということを思い知らせた。</p>
				<p>闘病日記は、明るく力強くそして優しかった。同じ病気と関わっている人と、これから関わる可能性のある人への気配りに満ちていた。その溌剌とした文章がわたしに、子宮頚がんにかかるということについて少しずつ教えてくれた。具体的に記録された事柄にふむふむとうなずきながら、その外にあるであろう辛さ悔しさ、迷いや不安、数えきれない痛み——ご家族の抱えるそれも——を想像してやりきれなくなったりしながら、読みつづけた。</p>
				<p>（彼女は11月に手術を受け、それは成功した。もちろんそれで終わりではないから、今も通院されている。）</p>
				<p>わたしだったら、どうしただろう？</p>
				<p>そう何度も考えた。そうするうちに胸に浮かんだのが「ワクチンの接種について、もう一度じっくり検討する」ことだった。</p>
				<p>こんなエピソードがあった。</p>
				<p>手術を間近に控えた病院で、待合室にお金が落ちていたのだそうだ。<br />それは硬貨で、壁に立て掛けるように置き去りにされていたと。<br />落とし物かな、と手を伸ばして、だけど彼女は触れることができなかった。<br />「もしもこの10円玉が、戻ってきても変わらずここにあったならば」<br />誰かのそんな願掛けということも、あるかもしれない。<br />そう思いついて、そのままにしておいた、と。</p>
				<p>わたしはさらりと書かれたその文章を読んで、ああ、ある。あるよなあそういうの、と思い、次の拍子には何だかだらだら泣いていた。<br />これまでの人生で経験した「病気になるということ」のすべてが、ぎゅっと圧縮されてふわーっと溢れ出てきたみたいだった。弱くなるということは、それまで知らなかった多くが見えるということだ。病気になっているときの世界は元気な自分が思うよりずっとずっと繊細で饒舌で、休みなく何かを語りかけてくる。これまで自分が過ごしたすべての待合室、その時の弱った自分が、悪い想像が、淡泊な現実が、受けては取り落とした優しさが、むくむくと起きて生え出す優しさが、持て余した「早くよくなってね」が、誰にも言えない「死ぬってどういう感じなのかな」が。それらのすべて混ざった待合室のあの匂いが、たちまちによみがえってきた。</p>
				<p>もう一度考えてみよう。<br />わたしが入って使っている、容れ物のこと。<br />この身体のこと。<br />そこから誰かが生まれる可能性のことも含めて。<br />子どもを持ちたいとも、持つのが普通だとも、持つことが喜びだとも捉えていないわたしだが、可能性だけはあるのだ。うまく想像なんてできないけれど。</p>
				<p>→<a title="HPVワクチンの話（２）" href="http://sentimentally.org/blog/archives/955">（２）</a>につづく</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<hr />
				<p><span style="font-size: 11px;">イシイジュンさんのブログ：<a href="http://ameblo.jp/kedamakoubou/">モジャモジャーナル</a><br />オカアヤンだいすき<img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/02/877.gif" title="♥" width="16" height="14" class="alignnone size-full wp-image-1040" /></span></p>
				<hr />
]]></content:encoded>
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		<title>お正月、いちご</title>
		<link>http://sentimentally.org/blog/archives/909</link>
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		<pubDate>Mon, 02 Jan 2012 15:21:00 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[砂のノート]]></category>

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		<description><![CDATA[うちのおせち料理はちょっと変わっていると思う。おせちの体裁をとってはいるものの、よく見ると全然関係ないものがまぎれこんでいる。 いちごとか茹でたブロッコリーとか。ブロッコリーにはレモンを搾って食べる。 幼かったころの一時 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101a.jpg" rel="lightbox[909]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101a-150x150.jpg" alt="かまぼこだてまきぶろっこりいちご" title="かまぼこだてまきぶろっこりいちご" width="150" height="150" class="alignnone size-thumbnail wp-image-924" /></a></p>
				<p>うちのおせち料理はちょっと変わっていると思う。<br />おせちの体裁をとってはいるものの、よく見ると全然関係ないものがまぎれこんでいる。 いちごとか茹でたブロッコリーとか。ブロッコリーにはレモンを搾って食べる。</p>
				<p><span id="more-909"></span>幼かったころの一時期、わたしは父方の祖父母と住んでいたことがある。その家に父は帰らないのにだ。だけど彼らの存在のおかげで、わたしにとって父親という「どこかにいるけどここにはいない」人物が少しはリアリティのあるものになったようにも思う。<br />祖父母が父についてどういう見解だったのかはよくわからないけれど、おそらくわたしの母に対してはたくさんの感謝と負い目と、少しの憎しみを持っていたのだろうと今はぼんやり考える。祖父は耄碌こそしていなかったが、日常生活に簡単な介助が必要だった。 母はわたしを育てながら祖父の面倒をみて、空き時間（なんてものはなかったはずだが）には働きにも出ていた。結婚前の、盛大におおげさな言い方をすれば”美貌のキャリアウーマン”的な存在だった母を知る人はそのことを聞くとみな一様に驚き、そして離婚を勧めたという。しかし彼女は「ユリが一人前になるまでは」と——あるいは何か思うところがあったのかもしれないが——そうしなかった。少なくともその時点では。<br />それは祖父母にとってこのうえなくありがたいことであったろうし、同時に、母がありがたい嫁であればあるほど、自分たちの息子はろくでなしになってしまう、ということでもあっただろう。 わたしという孫に対しても、かわいいには違いないけれどもそれだけでは済まない、なにか複雑なものがあったと思う。子ども心にそのことはよく伝わってきたのだ。</p>
				<p>父方はそれなりの家だったようで、盆と正月にはそこそこの人数が集まった。祖父からお言葉があり、年少のものから順にお屠蘇をいただく。色とりどりの豪華なおせち料理は、長男の嫁（長男の人はそこにいないのだけれど）である母がひとりで支度していた。簡略化はゆるされないことだったし、子どもだからといって別メニューにしたりお屠蘇を飲まないことも祖父は認めなかった。<br />普段からひどく威圧的なわけではなく、ただしきたりを重んじたかったのだと思う。家長として厳格に振る舞うことで、息子の不在を埋めようと、その不自然さを和らげようとしていたのかもしれない。<br />当時のわたしには面倒な食事制限があり、食べてはいけないものがいくつもあった。数の子も鰤も海老も、七宝寄せも。しかし、祖父にとってアレルギーなどというものは「気力の問題」であり「鍛えれば治る」ものだった。母はこっそり「おじいちゃまが酔っぱらうまで待ちなさい、そうしたら食べなくてもわからないから」と耳打ちしたが、彼女がお酒と料理を追加するために他の「嫁」たちと台所へ立ったその間に、「食べないと大人になれない」と言われたわたしは素直にそれらを口に運んだ。食べたらどうなるか、ということまで考えなかったのだ。具体的に理解していればそうはしなかった。</p>
				<p>ほどなくわたしは脂汗を流して苦しみ、お医者を呼ぶ羽目になった。普段お世話になっている小児科の先生とは違う人に診察されるのがこわかったことを覚えている。</p>
				<p>翌年から、わたしの前には「おせちの体をとりつつも、よく見ると全然関係ないもの」が並ぶようになった。面目のつぶれた祖父は何も言わなかったが、「ユリの身体が弱いことと男に生まれてこなかったことは、嫁に原因があるはずだ」という趣旨のことを酔うと殊更に繰り返していた。</p>
				<p>その時は悲しくもくやしくもなかった。よくわからなかったから。<br />意味をきちんと理解するのは、もう少し後になってからのことだ。 <br />ただ、わたしのおせちにはいちごがあるから、いいもん、と思っていた。ぼんやりとした「なかまはずれ」の匂いだけは感じ取っていたわたしに、「みんなとおなじ数の子はないけど、みんなにはないいちごがあるもん」という気持ちが小さな誇りだった。</p>
				<p>そして月日が経ってその家を出て大人になった今も、わたしのおせちはいちごだ。<br />2012年、わたしはどうにか元気です。</p>
				<p><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101c.jpg" rel="lightbox[909]"></a><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101b.jpg" rel="lightbox[909]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101b-150x150.jpg" alt="おにしめ" title="おにしめ" width="150" height="150" /></a><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101c-150x150.jpg" alt="またブロッコリー" title="またブロッコリー" width="150" height="150" class="alignnone size-thumbnail wp-image-927" /><a href="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101d.jpg" rel="lightbox[909]"><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0101d-150x150.jpg" alt="あまいみなさん" title="あまいみなさん" width="150" height="150" class="alignnone size-thumbnail wp-image-928" /></a></p>
				<p><span style="font-size: x-small;">上：ほんとうはかまぼこをしましまに並べるんだった。忘れた</span><br /><span style="font-size: x-small;">下左：お煮しめはすてきなたべもの。クッキー型で梅にんじんしようと思ってた。忘れた</span><br /><span style="font-size: x-small;">下中：年末にいただいたハム。ブロッコリーはどこにでも置く。あとそのトマトだけはちょっと奮発した</span><br /><span style="font-size: x-small;">下右：ここだけ正統派重箱に近いゾーン。くろまめだいすき</span></p>
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		<title>2012</title>
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		<pubDate>Mon, 02 Jan 2012 13:20:26 +0000</pubDate>
		<dc:creator>koyulic7</dc:creator>
				<category><![CDATA[波のあわ]]></category>

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		<description><![CDATA[いつにもましてお正月気分がぜんぜんしません。それでも日付は変わります。お慶び申し上げるほどの気持ちでいなくても、どんな仕様もないことが起こっても、日付だけは律義ですね。わたしが死んでも日付だけはいつまでも増え続けるのだか [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[				
				<p><img src="http://sentimentally.org/blog/wp-content/uploads/2012/01/0102_effected-150x150.jpg" title="2→4→8" width="150" height="150" class="alignnone size-thumbnail wp-image-937" style="border: 0px initial initial;" /></p>
				<p>いつにもましてお正月気分がぜんぜんしません。<br />それでも日付は変わります。<br />お慶び申し上げるほどの気持ちでいなくても、どんな仕様もないことが起こっても、日付だけは律義ですね。<br />わたしが死んでも日付だけはいつまでも増え続けるのだから、 こんな義理堅いものありません。</p>
				<p>わたしといえばMacBookのメモリを増設しているうちに2012がそこにいました。<br />10年前にはこれを自分で出来るなどと夢にも思いつかず、こんなことがすいすいできるなんて男の子ってすごいなあと思っていました。今思うと笑ってしまいますね。<br />あのときは、512MBを1GBにしたんでしたっけ。<br />それにしてもメモリは安くなりました。<br />タイムマシンで買いにきている2010年ごろの人が、もしかしたら紛れているかもしれません。</p>
				<p>目覚めたMacは以前に比べてずいぶんとすっきりした面持ちでしたので、あ、よかったね、と思いました。<br />わたしも、やりたいな、それ。<br />やれればよかったのにね。</p>
				<p>メモリも取り換えられないで大きな顔をしている人間のわたし。<br />壊れたらそれまでの野蛮な存在。</p>
				<p>「だれだってできるよ、静電気だけ、気をつけるくらい。ああ、あと、ネジ。なくさないことと」<br />そう言ってくれたあの子がもしもわたしにもっといばっていたら、きみにはできないだろうね、と言っていたら、わたしは今もひとりでMacBookの裏のフタを開けられなかったでしょうか。</p>
				<p>そんな人生でも、おなじくらいのそれなりに、しあわせではあったでしょうけど。</p>
				<p>タイムマシンがいつも、もしあれば、未来を夢見る小道具として語られているといい。<br />誰もがみんな同じように、そのこと以前に戻りたいと願うような日が、来ませんように。<br />そんなおそろしいことが、起こりませんように。</p>
				<p>わたしが死んでも、起こりませんように。</p>
				<p>&nbsp;</p>
				<p><span style="font-size: xx-small;">じっさいにはほんとうにタイムマシンが使えたら過去のじぶんに全財産をアップルの株につぎ込めって言いにでかけますけどね。</span></p>
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